社長の旦那と恋い焦がれの妻(わたし)



チラリと拓斗さんを見れば凄く集中してる。


バレないようにカメラで…


私はカメラに気付いてない拓斗さんを撮りたいわけで、気付かれたら意味がない。



「あの、拓斗さん。ちょっと瞳子の様子見てきますね」



そう言って私は手を拭きキッチンを後にした――、けれど、こういう時に限って瞳子はリビングにあるベビーベッドですやすや寝ている。


そしてカメラは寝室。


寝室に行って変に思われたりしたらどうしよう?なんて思っている私の目が捉えたのは携帯。



「いい事思いついた…」



ふふっ、と一人ほくそ笑むと瞳子の様子を見て携帯片手にキッチンへと戻り、そっと近づき拓斗さんが見てない事を確認しパシャリと一枚。


なんてカッコいいんだろう。


素敵だ、素敵すぎるよぉ!


この拓斗さんのエプロン姿ーー、って撮った写真にうっとりしてる場合じゃない…!!



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