宝物〜絆〜
「離せよ。こいつら友達を友達だと思ってねえから、大切にしねえからムカつくんだよ。お前や琴音の気持ち、何も考えてねえ」

 私は仁美の手を振り払おうと脚をクイクイッと動かした。

「本当は……、本当は二人ともこんな事する子じゃないんです」

「でも、現に今やってんじゃねえか」

 私の言葉に仁美は黙って俯く。

「昔がどうだったか知らねえけど今は今なんだから、いい加減に見切りつけたらどうだ? こんな奴らとは縁切った方が良いと思うぞ」

 私はわざと香奈たちの事を悪く言って、仁美から本心を引き出してみる事にした。

 しかし仁美が返事をする前に香奈が口を挟んできた。

「さっきからごちゃごちゃとうるさいって言ってんでしょ。ちょっと黙っててくれる?」

「そうだよ。くだらねえ事、吹き込んでんじゃねえよ」

 沙織はフラつきながらも立ち上がろうとしている。

「てめえらこそ黙ってろ。私は仁美に話してんだよ」

 私は仁美に視線を移した。

 仁美はチラッと香奈達の方を見た後、真っ直ぐに私を見据えて答える。
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