宝物〜絆〜
「おめえらにとって、友達って何なんだよ。仁美や琴音はおめえらの為を思って言ってんのに、おめえらは二人の事、何だと思ってんだよ? 言ってみろよ、おい」

 香奈も沙織も押し黙ってしまって、答えようとしない。

 私は溜息を一つついて続ける。

「間違った事してる時に、間違ってるって言ってくれる友達は貴重だぞ? どうでも良い奴だったら愛想尽かして離れてくかんな。そんだけおめえらの事を考えてくれてる二人に、一体何やってんだよ?」

「うるさいっ! あんたに何が分かるって言うの? だいたい私はこんな裏切り者の気持ちなんて分かんないし、分かりたくもない」

 香奈は仁美たちの方をチラッと見た。

「おめえは……、とことん腐ってやがんな」

 私は再び香奈を自分の方に向けて思い切り平手打ちをする。

 香奈は勢いに押されてよろめいた。

 それを見た沙織が、キレて殴り掛かってくる。

「お前、さっきから偉そうな事ほざいてんじゃねえよ」

 沙織が向かってきたから反射的に蹴りを入れたら、カウンターで胸元辺りに入り、沙織は尻餅をついて倒れ込んだ。

「おめえ今なんつった?」

 私は完全に我を忘れて沙織に詰め寄る。

「待って……、待って下さい。美咲さん」

 突然、仁美が私の脚を掴んできて動きを止められた。
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