宝物〜絆〜

　確かに。しかも茜や唯と一緒ん時じゃなくて本当に良かった。

　そんな事を考えていると、秀人が口を開いた。

「本当だよな。それより俺は、マジで大樹の事まで狙ってくるとは思わなかったよ。あいつ、何考えてんのかな」

　秀人は煙草を吹かして答える。

　本当そうだよな。冷静になって考えると、何だか二人に申し訳なくなってきた。

　そもそもあいつをキレさせたのは、元はと言えば私。秀人は私をかばっただけ。立川に至っては、自分より私や秀人と仲良くしてんのが気に入らないだけだろう。マジでただのとばっちりじゃん。

「二人とも、ごめん……」

　気付いたら謝っていた。

　本当、もっとしっかりしないとダメだな。二人が何も言わないからって甘えすぎだ、私。