宝物〜絆〜
「まあ、こういう展開になったのは鏡司が居たからだよな。あいつが中西も飲みに連れてくとか言い出さなけりゃ、誰も誘わなかっただろうし。結果的に和解どころか打ち解けて仲良くなれた訳だし、なんだかんだで中西誘って正解だったよな」

 秀人は風に靡く髪を掻きあげながら優しい笑みを浮かべている。

 確かにうちらの目的は和解までであって、敢えて仲良くなろうとは思ってなかった。

 更には、バカ西どころかほぼ面識のない十一人と打ち解けたのも鏡司の人徳によるものだろう。

「確かに不思議な奴だよな。お前や大樹も突拍子もねえ事ばっか言ってっけど、あいつはそれ以上だからな。普通の人が言ったらバカかと思うような事でも、なんかあいつが言うと和むんだよな。お前らもそうだけどさ」

 秀人をボーッと眺めながら大樹や鏡司の事も思い出していたら、つくづくそう思った。

 マジで不思議な奴らだ。

「突拍子もねえ事ばっか言ってんのはおめえも一緒だろ。つか、ある意味おめえが一番とんでもねえし」

 秀人が呆れたような笑いを浮かべて突っ込んでくる。

「お前らと一緒にすんな。私は至ってまともだっつーの」

 わざとキレ口調で言い返すと、秀人はごまかすような笑いを浮かべながら話題を変えた。
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