宝物〜絆〜
 秀人たちは財布が欲しいようで、揃ってブランドもんの財布を選んでいる。

 残念ながら入賞出来なかった奴らも、チーム戦二位や三位の賞品だとかで、要するに参加賞のようなノリで何かしら選ばせて貰っていた。

 そして各自が欲しいものを選び終えると、今日のところは解散しようという流れになる。

 鏡司たちは帰り際に「寮見てって良い?」と聞いてOKをもらい、案内してもらうという事になっていた。

 許可が下りたらマジで社員寮に住むつもりだろうか? 有り得そうで恐いな。

 そんな事を考えながら出口へ向かい、寮との分岐点で鏡司が「今日は楽しかったな。来週か再来週辺りにまたやろうな」などと言って挨拶を交わし、解散となった。

 私は秀人について単車に乗せてもらい、朝の爽快な風を浴びて帰路についた。

「つか、色んな意味で予想外の一日だったな。まさかあいつんちで飲み会やる事んなるとは思ってなかったし。賞品も、マジで良かったのかな」

 マンションに到着し、駐輪場から歩いている時に秀人が話し掛けてきた。

「本当だよな。和解出来た上に、楽しい時間も過ごせたし。おまけに欲しかったテレビと原チャが両方ゲット出来て、なんか信じらんねえよ」

 私は信じられない気持ちをそのまま口に出して秀人に同意する。

 マジで最近、非日常的な出来事が多いよな。平凡で変化のない生活より楽しくて良いけど。

 まあ、それも結果論として、事態が良い方に進展してるから言える事だけどな。当然、受け入れ難い悪い事もあったけどさ。
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