BirthControl―女達の戦い―
「カナメと二人きりじゃ、遥香ちゃん怯えちゃうでしょ?

だから私がクッションになってあげる

ねっ?」


そう言って同意を求めるリオに、遥香自身もこの人と二人きりは怖いかもと納得して小さく頷いた。


カナメは少し不満そうだったけれど、遥香が頷いたことでリオがいた方がいいと判断したのか、それ以上は何も言わなかった。


「お前は麻生遥香で間違いないな?」


そう唐突に聞かれて、遥香は緊張しながらも首を縦に振る。


「麻生代議士の娘だな?」


それを聞いて、遥香はこれが政治絡みなのだと悟った。


「はい……」


今度は声に出して返事をすると、カナメは軽く頷いて悲しそうに目を伏せた。


「もうわかったと思うが、お前を拉致したのは政治絡みだ

私達は今の政治に不満を抱いている

お前の両親は、子供を一人しか生んでいないくせに、政治家という立場を利用して、多額の交付金を得て、上流世帯区域にのうのうと豪邸を建てて暮らしている

それに麻生代議士は、子供が三年出来ないと離婚させるという法案を推進している第一人者だ

それだけじゃない……

子供を得て金儲けを企む組織があるにも関わらず、その犯罪には一切目を瞑って捕まえようともしない」


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