BirthControl―女達の戦い―
プルルルル……プルルルル……プルルルル……プルルルル……カチャ
「麻生だ」
「お疲れ様です
OldHome管理センターの青柳です」
「あぁ、ごくろう
今日は何人だった?」
「本日80歳を迎える者は2名でした」
「2人か……
少なかったな……
まあいい、許可するからあとはいつも通りうまくやってくれ」
「はっ、かしこまりました!
お任せを」
「あぁ、頼んだぞ?
くれぐれも内密にな?」
そう言って電話を切ろうとした瞬間、譲はふと思い出したように青柳に声をかける。
「遥香は……、麻生遥香はきちんと仕事をこなしてるのか?」
「はい!お嬢様は施設内のご老人から人気もありますし、看護師の仕事もしっかりおやりになってますよ?
ご安心ください」
「そうか……ならいいが……
くれぐれも奥にある処理システムには気づかれないよう気を付けろ?
俺の娘だからといって油断するな?
あいつは親と縁を切るくらいの娘だ
何か探っている可能性もある」
「はっ!その辺は心得ております
それにあの場所は立入禁止区域にありますし、もう5年もしっかり働いておられるんですから、ご心配には及ばないと思いますよ?」