BirthControl―女達の戦い―
譲と和子は意を決して娘の部屋に入った。


昼間だというのにカーテンを閉めきった、薄暗く湿った空気が漂う部屋に、ゆっくりと足を踏み入れる。


遥香はベッドの上で毛布を頭からかぶり、体を丸めてうずくまっていた。


この異様な光景に、譲達はかつての明るくて素直だった娘を、もう見出だすことは出来なかった。


「遥香……」


妻がそう声をかける。


一瞬、その声に反応してピクッと毛布の塊が動いた気がした。


「遥香、顔を見せなさい!」


今度は譲が、少し強めの口調で声をかける。


けれど今度は何の反応もなく、本当にこの塊は遥香なんだろうかとさえ思えてきた。


仕方なくゆっくり歩を進めると、毛布の端を掴んで思いきり捲る。


ベリベリッと音がするんじゃないかと思うくらい、毛布は遥香にくっついていてなかなか離れない。


体力も限界にきているはずのこの娘のどこに、まだこんな力が残っているのかと驚くほどだった。


必死で抵抗する娘に戸惑いながら、譲は全部捲るのを諦めて、顔の部分だけが見えるよう、今度は一部分だけをそっと捲ってみる。


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