BirthControl―女達の戦い―
泣いて暴れて叫びながら、自分を罵倒し続ける遥香を、譲はまるで他人を見るような目つきで呆然と眺めていた。




それから二ヶ月後――


遥香は譲や妻の和子と顔を合わすのを嫌がり、昔……看護師になる夢を反対した時のように部屋に籠るようになった。


誘拐されて心配で心配で夜もろくに眠れずに捜索したというのに、この仕打ちはどういうことなのか理解に苦しむ。


譲を人殺しと言って避けるのは、それは百歩譲って仕方ないとしても、何も事情を知らない妻にまで家に帰って一度も口をきかないことに譲は憤りを感じていた。


せっかく妻が作った食事にも、まったく口をつけずに引きこもっている。


あの時のように栄養失調になって困らせるつもりなんだろうか?と穿った見方しか譲には出来なくなっていた。


初めはやはり拉致、監禁されたことにショックを受けているんだと思っていた。


だけどそうではなかったんだということが、このあと解ることになる。


部屋に籠ってもう2ヶ月も経つのだから、腫れ物に触るように接するのにも限度があるだろう。


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