BirthControl―女達の戦い―
「けど!

私が決断したんだ!

あの場所をつきとめられないように、場所を移動してあいつらと交渉することを……

うまくおびき寄せて仲間を殺した頃、私達が戻るようあいつらが仕組んでたことに気付かなかった……

私の……ミスだ!」


悔しそうに顔を歪めながらそう言った要に、梨央は彼女の手に自分の手をそっと乗せて言った。


「でも遥香は私達を助けてくれた

そうすることで自分も生きられるからって、言ってたじゃない?

要をそんな顔にさせたくて助けた訳じゃないでしょ?

こんな世の中を……

殺された彼女達のためにも変えてほしいって……思ったからじゃないの?」


確かにそうだった。


遥香はいち早くあの場所で何が起きてるのかを察知してた。


たぶんそれが、自分の父親の仕業だろうってことも……


あの監禁という名目で与えられた遥香の部屋から、どんな思いで仲間が殺されていくのを見ていたんだろう。


あの小さな体で背負うには、きっと大きすぎる出来事だったに違いない。


要と梨央が取り引きに応じるため、少し離れた山小屋に入ることになった時、何かあったらと遥香には携帯電話を渡していた。


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