BirthControl―女達の戦い―
自分のせいで犠牲にしてしまったことを心から悔やむに違いない。


遥香はそんな娘だ。


責めるならあの場所から青柳がいなくなったことに気付かなかった自分自身にだろう。


「ごめんな……?

助けるって……言ったのに……ウッ」


遥香は小さく首を振った。


本当は少しも動いていなかったのかもしれないけれど、そう要には見えたのだ。


「あ……りが……」


ありがとうと言いたかったのだろう。


遥香の目尻から涙がこぼれ落ちた。


そして……


そのまま遥香の目はもう二度と開くことはなかった。


「遥香?はる……クソッ……」


(……なんで?)


なんで遥香が死ななくちゃならないんだ。


こんな風になるなら、遥香を巻き込むんじゃなかった。


今頃、普通の病院で普通に看護師として働いていたかもしれないのに……


要は遥香の命を奪ってしまった自分が許せなかった。


濡れるのもお構いなしに床に座り込み遥香に頬擦りする。


(まだこんなに温かいじゃないか……)


「遥香ぁぁぁぁぁ!!」


力の限り遥香の名前を叫びながら、要もまたその場から動けなくなっていた。


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