BirthControl―女達の戦い―



ドクン……ドクン……ドクン……ドクン……


心臓の音がやけに大きく聞こえる気がする。


息を潜めているだけに、この音がこの部屋の主に聞こえてしまうんではないかと思うくらいだ。


ベッドの下に身を隠しながら、遥香は青柳が部屋を出ていくのを待った。


さっきから梨央がずっと呼び掛けているけれど、それさえも青柳に聞こえやしないかとヒヤヒヤしてしまう。


久枝を助けるまで、無線に応答する気はなかった。


要や丸山を信用していないわけじゃないけれど、彼女たちが到着するまで待っていては時間が無さすぎる。


やはり自分がやるしかないと、遥香は決心したのだ。


青柳の部屋に潜入したのには理由がある。


久枝を助けるためには、制御室に行かなきゃならないからだ。


きっとそこに久枝を助けるヒントがあるに違いないと遥香は思っていた。


今日、制御室に青柳が入るのは初めてのはずだ。


だとしたら、事前に梨央に聞いてある暗証番号が有効である可能性は高い。


後は指紋認証をどう突破するかだった。


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