BirthControl―女達の戦い―
「何度来ても美しいですねぇ?」
あれから一年以上経っているが、OldHome時代を知らない妻は、この場所がお気に入りらしい。
まあそれはそれで要の政策は功を奏しているのだからいいのだが……
哲朗自身はこの場所に来るたび胸が痛くなる。
遥香を目の前で殺されたのだから仕方がないことなんだけれど。
駐車場に着いてすぐの目の届く場所に、それは佇んでいる。
花に囲まれこの場所に溶け込むように遥香の墓碑はあった。
幼い頃から遥香を見てきた妻も、そこに近付き手を合わせる。
妻に憧れて看護士になったことを話したのはいつだったか……
無念さに唇を噛み締め涙を堪えるように顔を歪ませた妻は、ここに来るたびこうして花を手向けるのが習慣になっていた。
「先生!敬子さん!」
元気のいい甘ったるい声が聞こえる。
相変わらず色気たっぷりのくせに白衣がよく似合うと哲朗は柄にもなく思った。
「梨央ちゃん、元気だったかい?」
そう声をかけると、梨央は元気、元気、と繰り返し言いながら、片腕に力こぶを作って見せた。
あれから一年以上経っているが、OldHome時代を知らない妻は、この場所がお気に入りらしい。
まあそれはそれで要の政策は功を奏しているのだからいいのだが……
哲朗自身はこの場所に来るたび胸が痛くなる。
遥香を目の前で殺されたのだから仕方がないことなんだけれど。
駐車場に着いてすぐの目の届く場所に、それは佇んでいる。
花に囲まれこの場所に溶け込むように遥香の墓碑はあった。
幼い頃から遥香を見てきた妻も、そこに近付き手を合わせる。
妻に憧れて看護士になったことを話したのはいつだったか……
無念さに唇を噛み締め涙を堪えるように顔を歪ませた妻は、ここに来るたびこうして花を手向けるのが習慣になっていた。
「先生!敬子さん!」
元気のいい甘ったるい声が聞こえる。
相変わらず色気たっぷりのくせに白衣がよく似合うと哲朗は柄にもなく思った。
「梨央ちゃん、元気だったかい?」
そう声をかけると、梨央は元気、元気、と繰り返し言いながら、片腕に力こぶを作って見せた。