りある♡プリンス




「中学校が同じだったんです。高校入学と共に霧沢財閥のお屋敷でメイドやることになりました、って」


「そうなんですか…!」


中学同じだったんだ……!




「以前は、他にもたくさんメイドさんいらっしゃたようですけど…やめてしまわれたんですよね。この学園の生徒がほとんどだそうですけど」


「えっ…」



ていうかそれ前、紗羅ちゃんに聞いたことある……!


やめたメイドさんのほとんどは、霧沢学園の生徒さんなの…?




「理由はわからないんですけどね。彼女達に聞いても教えてくれなくて。統様や翔に聞いても教えてくれませんし…」


「え、……あ、そうなんです、か」




…ねえ、今、雫さん、"翔"って………





「聞いてみたらいかがですか?」


「え?」


「メイドさんがやめてしまった理由」




あたしもずっと気になっていたけど……


…でも今はちょっと話しづらいというか…




「私には話してくれなくても、まひるさんには話してくれるかもしれませんし」


「…あ…はい…」



あたしは頷いていた。




これを機に、また話したい…。


そんな思いが、あたしの心のどこかにあったんだと思う。




< 94 / 125 >

この作品をシェア

pagetop