不器用な恋にコイをした。
嘘だろ。
こんな時間に何してんだよ。

俺の目の前には沢尻が居た。

なんでこんな嬉んだ?
期待して来たつもりじゃねぇのに。

「ま、真於くん?」

いきなりの俺を呼ぶ声にビクリとする。

「こんな遅い時間に何してんだ。親が心配するだろ。」

「大丈夫だよ。お父さん達には言ってあるから。チロの散歩って」

けどこんな遅い時間に女が出歩いて危ねぇよ。

「そうか。……昨日は悪かったな」

「え?あ、私も慌てて帰ったりしてごめん」

「お前は何も悪くねぇよ。」

「…。私ねみんなから地味って言われるの。それは自分が一番分かってるけどなんか自信なくなっちゃうんだよね。」

なんだよ気付いてねぇのか。

「眼鏡やめてコンタクトにしろよ。昨日眼鏡取ったとき…悪くなかったから…」

「え?」

なに言ってんだあ!!

「だから眼鏡取ればいんだって。」

「ありがとう。けど私眼鏡でやってきたから眼鏡でいいや」

「そっか…」

沢尻がこんなに傷ついてたんだな。

俺も地味なやつとか言ったような。

「じゃあ私帰るね。おやすみなさい。」



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