西澤さんと文子さん

数分後

父は、少しドアを開けた。そこには、白い長方形のさらに盛りつけられた“出し巻き卵”と、きゅうりと白菜、大根などの浅漬けが、木のお盆の上で父親を見つめていた。


「ウイスキーには・・・合わないぞ、文子・・・。」


そういいながら、部屋の中にそれを持ち込むと、少しずつ箸で口に運ぶ。
涙を流しながら・・・。



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