西澤さんと文子さん

店を出る時、文子の父親と西澤の母が会計で少しごちゃごちゃしている間に小さな声で話をする。


「よかった認めてもらえて。」
「本当です。」

「結婚したら、苗字が一緒になるから・・・“亮太さん”って呼んで・・・いいですか?」

「はい(笑)」


そんな話に割り込むように・・・


「いや、むしろその方がいいだろう!」
「文子、結婚しても苗字はおかしいだろう?」


二人の兄に諭される文子。その光景に西澤はクスッと笑ってしまった。それを傍目に視ていた和明は・・・


カシャ


静かに携帯電話のカメラでその光景をおさえていた。
ホッとした表情で・・・

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