西澤さんと文子さん
「遅くなって・・・ごめんなさい。本当に・・・ごめんなさい!」
“公園のど真ん中”という公衆の面前で土下座をする西澤を文子は必死で止めた。
“いくらなんでも、これはやりすぎ!”と思いながら・・・
「も・・・もういいですから!大丈夫ですから!」
「・・・本当に?」
「はい・・・。」
西澤のあまりにもトリッキーな行動に、文子の怒りが自然に収まってしまった。
それから、西澤は申し訳なさそうに文子の隣に座る。
「お話って・・・この前の、お見合いの・・・ことですよね?」
文子は、緊張しながらも西澤に向けて発信する。すると・・・
「安西さん・・・ば、場所変えましょうか?」
そういうと、西澤は場所の変更を文子に提案してきた。不安をわざと隠すような笑顔で。不思議に思いながらも、文子はそれを了承した。