西澤さんと文子さん


(やばい、どうしよう・・・)


電車の中でも
自宅までの帰り道でも
西澤の中では、さっきのキスのこといっぱいだった。


(いきなりだったし・・・ふられたら・・・ふられたら・・・)


焦る気持ちを必死で隠しながら、自宅の部屋に駆け込んでいった西澤だった・・・


「キス・・・しちゃった・・・。」


力が抜けていくような感じで、文子はその場に座り込んでしまう。
文子の唇には、いまだにキスの感覚が残っていて、キスの記憶を少しずつ刻み込んでいく・・・
そして、体が熱くなっていく・・・


「39・8℃・・・ぶりかえし?」


文子は再び寝込んでしまい、仕事の復帰日が伸びてしまった・・・。

そんなことを知らない西澤も・・・


「あれ・・・なんか、寒い・・・。」


文子からインフルエンザを貰ってしまったようだった。

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