『さよなら』から始めよう



意外と早く帰路に着き
終始 微かな笑みが零れる


納得した訳ではないが
心の整理が出来た事は
僅かばかりの進歩


部屋に戻れば
まだまだ腐る程の
徳子の存在が浮遊し


存在のない幻影に
目を凝らすのも
悪くない


悠長な余裕も
まだ ある訳ではないが


『馬鹿じゃないの』


冷ややかな視線で
飽きれる徳子の面影が
俺を成長させるだろう



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