Over Line~君と出会うために
そんな貴樹の涙ぐましい努力も手伝って、会えない時間が多いのとは逆に、彩との距離は縮まってきたようにも思える。
最初の答えが頼りなかったとは言え、付き合い始めて三ヶ月は経つのだ。普通であれば、多少は進展が見られなければおかしいというものだ。
時間が空いた時には、貴樹は、大抵彩の部屋へ上がり込んで入り浸っていた。その方がお互いに都合もよかったからだ。自分の部屋に、彩を呼ぶ勇気はない。知られたくないものが山のように積まれているそこに、彩を連れて行く気にはなれなかった。別に、オタクだというのは最初から知られているし、そんなものが見られたってどうでもいい。エロゲーとアニメDVDの山も、アイドル声優のポスターも、所狭しと並べたフィギュアも、ミサカダイスケ書き下ろし限定品の等身大抱き枕が見られても全然平気だ。
見られたくないのは、REAL MODEの東城貴樹というオフィシャルの部分。いつかは、と思っているけれど、今はその勇気が持てないままだ。
今日の仕事は午前中の撮影だけで、栗原からお昼には帰っていいと言われた。即座に彩にメールを打つと、仕事があるから今は無理だけど、それでもいいなら上がって待っていてもかまわないと返事が返ってきた。
貴樹が訪ねた時には、やはり彩はまだ戻っていなかった。それは最初からわかっていたし、合鍵は少し前に預けられていたから、彩に言われた通りに中に入ってごろごろしていた。
帰って来た彩は、スーパーの袋を下げていた。どうやら、買い物もしてきたらしい。
キッチンでお茶を入れているらしい彩の背に向かって、さっきからどう言えばいいのか考えていた言葉をかけた。
最初の答えが頼りなかったとは言え、付き合い始めて三ヶ月は経つのだ。普通であれば、多少は進展が見られなければおかしいというものだ。
時間が空いた時には、貴樹は、大抵彩の部屋へ上がり込んで入り浸っていた。その方がお互いに都合もよかったからだ。自分の部屋に、彩を呼ぶ勇気はない。知られたくないものが山のように積まれているそこに、彩を連れて行く気にはなれなかった。別に、オタクだというのは最初から知られているし、そんなものが見られたってどうでもいい。エロゲーとアニメDVDの山も、アイドル声優のポスターも、所狭しと並べたフィギュアも、ミサカダイスケ書き下ろし限定品の等身大抱き枕が見られても全然平気だ。
見られたくないのは、REAL MODEの東城貴樹というオフィシャルの部分。いつかは、と思っているけれど、今はその勇気が持てないままだ。
今日の仕事は午前中の撮影だけで、栗原からお昼には帰っていいと言われた。即座に彩にメールを打つと、仕事があるから今は無理だけど、それでもいいなら上がって待っていてもかまわないと返事が返ってきた。
貴樹が訪ねた時には、やはり彩はまだ戻っていなかった。それは最初からわかっていたし、合鍵は少し前に預けられていたから、彩に言われた通りに中に入ってごろごろしていた。
帰って来た彩は、スーパーの袋を下げていた。どうやら、買い物もしてきたらしい。
キッチンでお茶を入れているらしい彩の背に向かって、さっきからどう言えばいいのか考えていた言葉をかけた。