Over Line~君と出会うために
(眠い……)
傍らでファンの子が喋っているのを半分以上聞き流し、貴樹はこみ上げてきそうになった欠伸を噛み殺す。貴樹が予定よりも早く着いてしまったために、来ていないメンバーがいるのだ。それを待っているから、ここから動けない。こんなことなら、もう少し車の中で寝ていればよかった。
「もう、貴樹くんってば、聞いてますか?」
「……え? ごめん、何?」
「あのね、この前のライブで……」
いつの間にか、話は先日の地方ライブの話に移行していたらしい。
少し黙っていてくれないかな、と、内心では思う。
応援してくれるのはありがたいことだと思っているし、彼女たちがいなくては貴樹の仕事は成り立っていないと知っている。それでも、こうも近くでマシンガンのように喋られるのは、かなりウザイ。彼女は追っかけの中ではマナーのいい方で、貴樹も割と気に入っている子だ。いつもならそれほど鬱陶しいと思ったりはしない。
だが、その日の気分で嫌だと思う時だって、ある。要するに、放っておいて欲しかったりするのだ。
傍らでファンの子が喋っているのを半分以上聞き流し、貴樹はこみ上げてきそうになった欠伸を噛み殺す。貴樹が予定よりも早く着いてしまったために、来ていないメンバーがいるのだ。それを待っているから、ここから動けない。こんなことなら、もう少し車の中で寝ていればよかった。
「もう、貴樹くんってば、聞いてますか?」
「……え? ごめん、何?」
「あのね、この前のライブで……」
いつの間にか、話は先日の地方ライブの話に移行していたらしい。
少し黙っていてくれないかな、と、内心では思う。
応援してくれるのはありがたいことだと思っているし、彼女たちがいなくては貴樹の仕事は成り立っていないと知っている。それでも、こうも近くでマシンガンのように喋られるのは、かなりウザイ。彼女は追っかけの中ではマナーのいい方で、貴樹も割と気に入っている子だ。いつもならそれほど鬱陶しいと思ったりはしない。
だが、その日の気分で嫌だと思う時だって、ある。要するに、放っておいて欲しかったりするのだ。