Over Line~君と出会うために
 翌週、九州から沖縄を回って東京へと戻った貴樹は、羽田空港で天宮やマネージャーたちと別れ、その足で直接彩の自宅へと向かおうと思っていた。事務所に寄る用事もないし、自分の自宅に行く時間も惜しかった。一秒でも早く、彩に会いたかったからだ。
 それを言うと、栗原は渋い顔をした。
「え、ダメ……?」
「あのねぇ、貴樹。あんた、自分の状況がわかってるの? 向こうでだって、倒れて点滴打ってもらったんじゃないの! 今日は引きずってでも病院に連れて行くからね!」
 栗原に怒鳴られ、貴樹はしゅんとうなだれる。
< 82 / 119 >

この作品をシェア

pagetop