ひだまりHoney

あの調子では、イベントに参加している全て企業の名刺を、また改めて手中に収めたのではなかろうか。

女性の名前は違えど、企業名は何枚も被っているかもしれない。会社名で神経衰弱が出来るかも。

名刺をひっくり返すと、紺野さんは驚いたように目を見開き、そして彼女を見た。

そのリアクションに頬を染めながら、彼女は紺野さんを引き寄せて耳元に艶々の唇を寄せる。

二人の会話を聞かれないように、己の唇と紺野さんの耳元を手の平で覆い隠している。

けれど、丸わかりである。

きっと名刺の裏に携帯電話番号かメールアドレスが書かれてあって「連絡してね」か「連絡待ってる」と、そんな所だろう。

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