ひだまりHoney
コンビニのガラスの向こうに――雑誌売り場に紛れ込むようにして、係長が立っていた。
視線は私を完全に捉えていて、手には携帯電話が握り締められている。
私は通話を切れば、それが合図になったかのように、上田係長が歩き出した。
後ずさりしながら、急いで電話帳を呼び出した。
震える指をなんとか動かして、電話をかける。
耳元で呼び出し音が鳴った。
一回、二回。
「お願い、電話に出て」
三回、四回。
係長がコンビニから出てきた。
半笑いのその顔に恐怖しか感じない。
『はい?』
繋がった先から、明るい声が聞こえた。
「紺野さんっ!」
すがるように私はその名前を口にした。