ひだまりHoney
紺野さんの笑い声が聞こえ、私は肩越しに振り返った。
後方で双子風コンビと盛り上がっている。サッカーというワードが聞こえた。
「一応、晴暉にも声を掛けてあげて下さい。仲間外れにすると、後が怖いですから」
大田原さんが声を潜めて、私達にそう呟いた。
エレベーターの扉が静かに開き、話し声と共に人々が小さな箱へと乗り込んでいく。
私も乗り込み――即座に眉を寄せた。
扉の近くで美都里さんが大田原さんと話している。
二人に近付こうとしたけれど、人に押され、奥へと流されていく。
よろけながら誰かにぶつかった。
周りを見れば、男性ばかりだった。寒気が走った。
みんな楽しそうに誰かと話している。
一人として私を見下ろしている人なんていないのに――気持ち悪さが込み上げてきた。