ひだまりHoney

「いたんだよ。あの場に俺も」
「え!? い、いませんでした!」
「いたの。ちょっと離れてたから珠洲は気付いてなかったけど」
「って、ことは……全部聞きました?」

紺野さんは満面の笑みで、大きく頷いた。

「有り難う」

言葉と共に、紺野さんの大きな手の平が、膝の上にあった私の手の甲を包み込んだ。

「一応確認するけど、そんなに酔ってないよな?」
「はい……眠気も吹き飛びました」
「明日になって、聞いてないとか言われたら嫌だし」
「……言いません」

紺野さんの手にきゅっと力が入った。

「希世から、俺のこと聞いてる?」
「紺野さんのことですか?……面倒くさがり屋って言うのは聞きました」

面倒くさがりという言葉に、紺野さんは苦笑する。

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