理想の恋愛関係
「まあ、今は諦めるしか無さそうだわ。変な事して嫌われるより、気持ちが落ち着いた後で可愛らしく聞いてみなよ」


鈴香はそう言ったけれど、この状況はかなりストレスだ。


優斗君のデート現場に遭遇したと言うのに、何も出来ないなんて。


……もう食べて発散するしかない!


ひたすら目の前の食事に意識を集中した。


「かなり量有るわね。
昼からコースなんて頼まなければ良かった……苦しい」


しばらくすると、鈴香はお腹に手を添えながら言う。


「そう?」


気のない返事をした直後、鈴香は少し驚いた顔をしてお腹から手を退けた。


まさか……、


「緑さん?」


すぐに聞こえて来た声に、私は勢いよく振り返った。


「優斗君!」

「偶然だな、こんなところで会うなんて」


優斗君はそう言うと、鈴香に目を向けて会釈をした。


鈴香も挨拶を返すと、可愛らしい女性の声が聞こえて来た。


「部長?」

「ああ、ごめん。知人が居たから」


知人……せめて友人と言って欲しい。


そう思いながら、優斗君の少し後ろに立つ女性を私は素早く観察した。
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