理想の恋愛関係
マンションの部屋に着くと、直ぐに兄に電話をした。


「袋小路さんとの見合い、ちゃんと断ってないでしょ?!」


私の剣幕に兄は引いていたけれど、悪いのはいい加減な兄なのだから容赦なく責め立てた。


結局、兄の伝え方が曖昧だったようで、袋小路さんだけがおかしいって訳では無い事が判明した。


今日の出来事を話し、責任をとって先方と話を纏めるように言い電話を切ると、ようやく怒りが収まって来た。


すると、優斗君の事が頭に浮かんで来る。


最近は上手くいっていると思ってたけれど、私の独りよがりなのもしれない。


自分がどれほど迷惑だったのか、今頃になって理解した。


今日、背中を見せて立ち去ってしまった優斗君。


あれが本心なんだろうけど……落ち込んでしまう。


自信が無くなる。


優斗君に電話をする事が出来なかった。


散々悩んだ後、今日の予定をキャンセルしてしまった事のお詫びのメールを送信した
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