理想の恋愛関係
「吉澤さんとは付き合ってないよ。
ただ相談を受けていただけ」


気が付くと、自然に言葉が出ていた。


緑はあからさまにホッとした顔をしたけれど、すぐに険しい顔になった。


「でも相談って事は親しいって事よね?」


探る様に見つめて来る。


「……緑さん、嫉妬してるのか?」


そう言うと図星だったようで、緑はビクリと身体を強ばらせた。


それでも次の瞬間には開き直ったようだった。


「そうだけど。だって相談って嫌いな相手にはしないし、彼女は優斗君を信用してるって事でしょ? しかも同じオフィスで働いてるなんて……いつオフィスラブに発展するか分からないわ」

「オフィスラブって……」

「周りの社員には秘密で会議室で待ち合わせしたり……優斗君にだけ特別のコーヒーを入れたり……」

「コーヒーは自分で入れてる。
緑さん漫画の見過ぎじゃないか?」


そう言うと緑は黙ったけれど、まだ納得はしていないようで険しい顔をしていた。


その様子を見ていると、楽しい気持ちになった。


「……緑さん、食事はまだだろ? 一緒に行かないか?」


自然な口調で誘うと、緑は顔を輝かせた。


「も、もちろん行くわ!」


張り切った返事に笑いながら、優斗は量が多いと噂のイタリアンに、すっかり機嫌の良くなった緑を連れて行った。
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