理想の恋愛関係
「……と、言うわけで優斗君と食事に行って、凄くいい感じになったの」


機嫌良く報告する私に、鈴香は感動の無い無表情で頷いた。


「ふーん、それで仕入れはちゃんと行って来たの?」

「ふーんって、鈴香が聞くから話したんじゃない……仕入れは行って来たわ」

「なんか機嫌いいねって言っただけでしょ? そしたら緑が延々と話し出したんじゃない。
でも浮かれずに早起きしたのは偉いわ」


鈴香の言葉に、私はニヤリと笑ってみせた。


「当然でしょ? あらゆる事の活力が湧いて来て、早起きくらいどうって事ないわよ」

「凄いね、その元気分けて貰いたいわ」


鈴香はだるそうに言いながら、私の仕入れて来た花の確認を始めた。


明後日の結婚式用のブーケや、その他の装飾の準備で疲れている様子だった。


鈴香の仕事はブライダル関係が多いから、週末は特に忙しい。


「手伝うわ。今日は急ぎの仕事は無いし」

「そう? 助かるわ、やっぱり忙しい時期は人手が足りないね。もう疲れた……緑みたいな体力が欲しいわ」

「……そう? まあ確かに力に溢れてはいるけど」


優斗君との距離が、今まで無い程に縮まっている気がしている今、疲れなんて感じる訳がない。
< 247 / 375 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop