理想の恋愛関係
優斗君が困ってるのが分かったけど、なかなか泣き止めなかった。


やっと落ち着くと、優斗君はホッとした様子で言った。


「大丈夫?」


私は頷きながら答える。

「大丈夫」


あまりに信じられない展開で大混乱してしまったけれど、もう大丈夫。


さっきのシーンの続きはいつでも出来る。


優斗君がもう一度好きだって言ってくれたら、私も大好きって答えて……それから、抱き合ったりもして、上手く行けば初めてのキスも……。


そんな事を期待いっぱいになりながら考えてると、

「とりあえず、トイレに行って来なよ」

耳を疑うような優斗君の言葉が聞こえて来た。


い、今なんて?


トイレって言わなかった?


この盛り上がっているはずの、愛の告白シーンにトイレ?


ブルブルと震えそうになる私に気付く事もなく、

「そこに有るみたいだ」

優斗君はわざわざ指で差して教えてくれた。


「俺はそこで待ってるよ」

「あ、あの……」


優斗君はスタスタと、ロビーのソファーに向かって行った。


え……どうしても私、トイレに行かないと行けないの?


釈然としないながらも、仕方なく優斗君の案内してくれたトイレに入る事にした。
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