理想の恋愛関係
それから、出来るだけ落ち着きを持って毎日を過ごしていたけれど、優斗君からの連絡は全く無かった。


私の忍耐の限界もだんだんと近付いて来て、優斗君に対しての気持ちはもちろん大好きだけれど、他にも悲しみと苦しみと……それから悔しさと、自分でも混乱するくらい複雑なものになっていた。


優斗君は自分の思い通りに過ごして、私の存在が無くても問題なくて……比べて私はずっと不安で苦しくて。


こんな日がいつまで続くんだろう。




「だからって毎日飲んでたら、いくら丈夫な緑だって体調崩すよ」


久しぶりに付き合ってくれた鈴香が、私の激しい飲みっぷりを見て呆れたように言った。


「分かってるけど……」


でも、寂しい夜をやり過ごすのには、これしか手段が無い。


「恋愛は微妙だけど、仕事は絶好調じゃない。今は仕事に生きたら?」

「確かに仕事は上手くいってるけど……」


最近は依頼が多く入り仕事自体は繁盛している。


今は忙しくしてる方がいいから良い事なんだけど……仕事だけじゃなくて愛にも生きたい。


そんな事を考えてると、

「それに比べて私は……」


鈴香が憂鬱そうな溜め息を吐いた。
< 339 / 375 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop