理想の恋愛関係
自分の気持ちを隠したまま破局したから、いつまでも忘れられないのかもしれない。


そう思いついた時、優斗君に会いに行く決心をした。


どうなるか分からないけど、今の気持を伝えたくて仕方無かった。


心を決めると直ぐに、私は数日前再会したオフィス街で優斗君を待ち伏せた。


婚約が破談になった時彼の連絡先は全て消してしまったので、私は彼の連絡先を知らない。


兄に聞けば分かるかもしれないけど、優斗君に会いに行くなんてとても言える雰囲気では無かった。


兄がまだ優斗君を許していない事は、聞かなくても分かっていた。



早い時間から待ち続けて、3時間になろうかとした頃、優斗君が現れた。


相変わらず浮かない表情で、疲れたような足取りだった。


この前も思ったけど、どうしてあんなに思い詰めた顔をしているのだろう。


彼女に振られた事をまだ引きずっているのだろうか。


私にとって嬉しく無い予想をしながら、素早く優斗君の前に飛び出した。
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