明日の果て

*神様


 俺は何をしてるんだろう──剛はフラフラとマンションを出たはいいが、そのまま街で何をするでもなく、徘徊して気が付けば、もう夜になっているじゃないか。

「帰ったらデイに怒られるな」

 仕事を放り出して来てしまったのだから、怒られても仕方がない。

 もの悲しくて、人のいる場所に来てしまっていたが、そろそろ1人になりたくなってきた。

 公園に来てみれば、恋人たちが妖しい行動を取っている。

 とてもじゃないが、自分の世界に入っていられる状況じゃない。

 1人になれる場所を探し、足を向けたのは河川敷。

 いくらカップルがいたとしても、公園ほど多くは無いだろう。

 カップルを避けて土手に腰掛け、深い溜息を吐き出した。
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