いとしのくまこさん
「いいんですか。追いかけなくて」
「いいの」
「だって、熊井さん、部長のこと」
「好きじゃないの。最初からそういう関係じゃないの」
「それでいいんですか。相手のこと、まだ好きなんでしょう」
「いい歳こいて、未練がましいのはね」
「どうして我慢するんですか」
「もうとっくに終わってる。バラすなら誰でもどうぞ。もう社内じゃあ噂の的だったわけだし」
手の中にはリングと茶色のクマがいる。
踏まれた跡で黒ずんでしまい、右腕がとれかかっている。
「いいの」
「だって、熊井さん、部長のこと」
「好きじゃないの。最初からそういう関係じゃないの」
「それでいいんですか。相手のこと、まだ好きなんでしょう」
「いい歳こいて、未練がましいのはね」
「どうして我慢するんですか」
「もうとっくに終わってる。バラすなら誰でもどうぞ。もう社内じゃあ噂の的だったわけだし」
手の中にはリングと茶色のクマがいる。
踏まれた跡で黒ずんでしまい、右腕がとれかかっている。