理想の恋愛
ん?
ちょっと待てよ・・・。

「なぁ、お前ここに入ったか?」
「んー?
入ってないよー?
この小屋には中学卒業してからは一回も入ってないよ?」


それを聞いた俺は首をかしげた。
おかしい。
この小屋には明らかに最近人が入った形跡がある。
俺も麗も最後にこの小屋に入ったのは中学を卒業した時である。
しかも、今はこの家に住んでるのは俺一人のはず。
だったら、一体だれがこの小屋に?

俺がそんなことを考えていると横から麗が声をかけてくる。


「ねぇ、実ー?」
「・・・・・・・」
「ねぇ、実ってばー。」
「あー、もぅうるさいな!
今、考え事を・・・」
「電話なってるよー?」
「え?」

よく耳を澄ませば確かに家の電話が鳴っている。
あわててリビングに入り、電話を取ろうとするが直前に切れてしまった。
番号を確認すると国際電話だった。

「あ、切れちゃったね」


後ろから麗が残念そうに言う。


「誰からだったの?」
「家のバカ親父だよ」

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