理想の恋愛
俺が、荷物を持ってリビングに行くと麗はメロンパンを食べながら紅茶を飲んでいた。
のんきにモーニングタイムを楽しんでやがる。


「あら?実君もお目覚め?」

突然、キッチンから声がした。

そこにいたのは変態・・・失礼。麗のお袋さんだった。


「実君は朝ごはん何がいい?」


そんなのんきにごはんを食べてる時間はない。


「いえ、時間がないので結構です。
それよりも昨日のあれはなんですか?」


少々恨みの入った声で俺は麗のお袋さんに聞いた。


「あらぁ、満足してもらえたかしらぁ?
麗ったら、初めてだったから何にも知らなかったでしょぉ?」


俺は幼馴染の母親のボケはスルーしておいた。


「おい、麗。
早く行かないと遅刻するぞ!」
「あ、ふん。」


メロンパンを頬張りながらしゃべるな。


「あぁ、ちょっと待ってぇ。」

ここの親子は昔からそろいもそろって語尾を伸ばす癖がある。
いや、麗はともかくお袋さんは恐らく故意に伸ばしているのであろう。
そして麗はそんな母親の影響で語尾を伸ばすようになったのであろう。
まったく・・・いい年してかわいいつもりなのであろうか?



「はい、これ。」


そういって麗のお袋さんは俺と麗に風呂敷で包まれた弁当を渡してきた。
朝まで飲んでた割には気が利く。

「あ、すいません。
ありがとうございます。」
「いいえー、いいのよー。」

何故か不敵な笑みを浮かべる40代主婦。


一瞬悪寒を感じたが今はそんなことを気にしている余裕はない。
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