理想の恋愛

プロローグ:保健室での攻防

 前回までのあらすじ。俺は一限目の体育で思わぬ大活躍をしてしまい女性恐怖症にもかかわらず女子の大注目を浴びてしまいあえなく気絶し保健室に運ばれ二限目が終了したところでようやく目を覚まし、この思春期真っ只中の男子高校生には刺激が強すぎる保険医という名の猛獣の相手をしていたのだ。


「ちょっと! 誰が猛獣よ!」
「お前しかいないだろ! このムッツリ爆乳!」


 もはや恒例と化した問答を行う2人…。既に二限目の休み時間も終わり三限目の授業に入っていたが、俺は未だに少し気分が悪かったので三限目も保健室で休むことにしていた。授業もめんどくさいし。それで仕方なく多田の話し相手をしながら時間をつぶしていたのだった。


「そういえば、最近どうなのよ?」
「どうって?」
「彼女よ彼女!」
「いるわけねぇだろ! 女性恐怖症だぞ!?」
「またまた~、とぼけちゃって~。教師の間じゃ彩恵ちゃんとできてるってねっからの噂よ~」
「そんなもん根も葉もない噂だ!!」
「私は麗ちゃんとできてると睨んでるんだけどねぇ」


 こいつは相変わらず人の話を聞かない。いや、人の話を聞かないのではなく俺の話のみを聞かないのである。ちなみに今話に上がった彩恵というのは…後々語ることになると思うので今は置いておく。


「麗はただの幼馴染だって何回も言ってるだろ! てか、お前、それ俺がここに来るたびにいってるじゃねぇか!」
「あらぁ? そうだったかしら?」


 変に色気のかかった声を出しやがる。この声を聞くだけで気分が悪くなる。
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