理想の恋愛
 そうこうしている間に授業の終わりを告げるチャイムが鳴る。このチャイムの数分後俺は気が付くと保健室のベットの上に横たわっていた。自分が何故保健室にいるのかは全く思い出せないが、恐らく…いや、十中八九気絶したのだけは間違いがない。


 時間を確認すると今はちょうど2限目の授業が終わったところのようだ。どうやら俺は1限目の体育が終わってからずっと気を失っていたらしい。


「あら? ようやくお目覚め?」
「あ、あぁ」


 俺はまだ少しだるい体を起こして返事を返す。声の主は学園の保険医、多田(オオタ) 望(ノゾミ)23歳だった。薫と並ぶ学園の教師ヤング層の一人で、長身・膨らんだ胸・引き締まったウエストとまさに絶世の美女と呼ぶにふさわしい容姿の女教師である。内面を除けばだが…。


「俺、なんで気絶したんだ?」
「なにも覚えてないの?」
「あぁ…体育の授業が終わったとこまでは覚えてるんだけどな…」
「あなた、今日の体育の成績はどうだったたの?」
「なんだよいきなり…えっと、確か……あっ」
「思い出した?」


 思い出した。俺は授業が終わってすぐに今日の体育の好成績のせいで女子連中に囲まれて、質問攻めにあったのだ。そして、そのまま気絶。納得!


「今日の気絶時間はなかなか長かったわね…あんまり起きないもんだから童貞奪っちゃおうかなって思ったわよ」
「お前が言うとリアルに聞こえるからやめろ!」
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