理想の恋愛
「…る」
「…のる!」
「おい! 実!」


俺は秀の声で目が覚める。夢か…。どうやら既に4限目は終えているらしい。

また、あの夢か…。


俺は今までに何度か同じ夢を見たことがあった。だが、いつも思い出せない。あの日の出来事が…。


「実、大丈夫? 汗すっごいよ?」


麗が心配して俺の元に来る。


「あぁ、大丈夫だ」
「本当に? 保健室行く?」
「いや、本当に大丈夫だ」


正直、行きたいとも思ったが、また多田の世話になると思うと面倒になる。


「んじゃ、サッサとご飯にするか」
「そうだね」


そう言えば今日は麗のお袋さんが作ってくれた弁当だったな。
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