理想の恋愛
「はいはい、静かにね!今から席を発表するから」


 そういうとマッキーは黒板に座席表を書いていく。


「おい、実、お前どこの席になると思う?」
「さぁ?俺は周りに女子がいなかったらそれでいいよ」


 俺は口ではそう言いつつも、そんな淡い願いでさえ叶わないのではないかという不安でいっぱいだった。


―さっきのマッキーの不敵な笑みはいったい何だったのだろうか…―


 俺はさっきからそればかり気にしていた。


「お前ってホントに夢がないよな?俺は俄然!女子に囲まれたハーレムを希望するけどな!」


―おそらく、仮にくじ引きでそういう席順になっても女子の苦情が殺到して強制的に席を変えられると思うがな…―

 そうこうしているうちにマッキーが座席表を書き終え、クラスはより一層騒然とする。

 そして全員が座席の確認を終えると、席替えが始まる。
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