初恋。
そんなことを思い出しながらぼーっとにんじんを切ってると
「痛っ!!」
みんなが私の方を見る。
「どうした?」
「あっ、ちょっと包丁で指切っただけ。
何ともないよ、大丈夫。」
そう言いながらも血は止まらない。
「大丈夫じゃないやん。」
そう言ってティッシュを持ってきてくれたのは廉。
こんなこと前にもあったっけ。
小学三年生の時、綾乃と海斗と私とそれぞれの親でご飯食べに行ったとき。
私達は食べ終わり暇だったから店の前で遊んでた。
そこでドジな私は水たまりで、滑って派手にこけた。
恥ずかしいくて最悪だったけど、それどころじゃなかった。
白の靴下は赤く染まるし、水たまりで濡れるし。
「大丈夫?」
綾乃にそう言われても、
「うん、全然大丈夫。」
そう言うしかなかった。
「全然大丈夫じゃないやん。」
そう言ったのは海斗。
「お母さんに見せにいこ。」
そう冷静な判断をしてくれた海斗。
そんなとき好きで良かった。
そう思えた。