高校生ー揺れる関係ー
この時、ふっと冬馬の方見たら、冬馬の目から一筋の涙が流れた。

「冬馬?」
と、冬馬の顔を覗き込んだら、冬馬は現実に引き戻されたように涙を乱暴に袖で拭いて、自分のカバンを持って
「俺・・・帰る。」
と、帰ろうとした。

私は反射的に冬馬の腕を掴んで引きとめた。

「なに?
俺…・今は、1人になりたい気分なんだよ。」

「弱虫。」

「は?」

「だから、弱虫って言ってんの!!」

「誰が弱虫だよ!」
と、私の手を振り払った。

「お前がだよ!
えっ何?

自分1人被害者面してんじゃねぇよ!
この中で1番の被害者は私らなんだよ!
2人がどうなろうが、私は知っちゃこうないんだよ。
けど、お前らは私らを巻き込んだ。

それなのに、帰る・・・
ふざけんじゃねぇ!」
と、私は思わず力強く言ってしまった。
冬馬は、今までの私の怒り方と違って、少し驚いてた。

(ヤバッ!?私のいつもの癖が!)
と、私は言った後に少し焦った。
だって、私の1つの素が出てしまったから。
この素は、この学校の人は1部しか知らず、口止めしてる禁断の話。
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