Another World
序-ハジマリ-
20XX年7月某日
--ピピピ…
一人の青年の部屋に
アラームが鳴り響く
「…」
が、青年はアラームに
気付かず寝息をたてている
そんな、アラームだけが
鳴り響く部屋の扉が開いた
「ほら!起きなさい!」
入ってきたのはエプロンをつけた青年の母親
母親はベッドまで足を進めると
勢いよく布団を剥ぎ取った
「うおっ」
いきなりの出来事に目が覚めた青年
「全く…ちゃんと目覚ましの音で
起きなさいよ、祐介」
「ハイハイ」
祐介と呼ばれた青年は
ベッドの上であぐらをかいて
片腕を頭の後ろにまわす
--ありふれた日常が
今日で最後だとは気付かずに