Another World
序-ハジマリ-




20XX年7月某日



--ピピピ…


一人の青年の部屋に
アラームが鳴り響く



「…」



が、青年はアラームに
気付かず寝息をたてている



そんな、アラームだけが
鳴り響く部屋の扉が開いた





「ほら!起きなさい!」


入ってきたのはエプロンをつけた青年の母親



母親はベッドまで足を進めると
勢いよく布団を剥ぎ取った





「うおっ」




いきなりの出来事に目が覚めた青年




「全く…ちゃんと目覚ましの音で
起きなさいよ、祐介」




「ハイハイ」


祐介と呼ばれた青年は
ベッドの上であぐらをかいて
片腕を頭の後ろにまわす








--ありふれた日常が
今日で最後だとは気付かずに

< 1 / 20 >

この作品をシェア

pagetop