BABY BABY
「実は、君のクラスの例の生徒の事でね…」
例の生徒。それは恐らく、
城島 凛(しろしま りん)の事だろう。
僕の受け持つ、1年B組の生徒だ。
そして、唯一の不登校児。
担任である僕ですら、入学式の時に顔を見ただけ。それ以来、一度も登校していない。
「城島ですか」
「その通りだ。たしか今日も、欠席だったんじゃないか?」
「はい」
岩元は眉間にしわを寄せる。
「保護者から連絡は?」
「腹痛、だとか」
「そんな、2ヶ月以上も腹痛が続くか?普通」