ライトグリーン・スカイ
カウントダウン
2人ととも別れて、私も家に帰る。花火大会は楽しみだ。

それ以上に不安もある。あの悲しげな表情が頭から離れられない。

考えていても時間の無駄。そうだ、本でも読んで気分を落ち着かせよう。

栞を挟んでいた所を開く。あの葉っぱで作った手作り栞。

それを取ろうとした時だった。作ったそれを見て思い出す。

尋が吐いた思い出せずにいた嘘を。この葉っぱが何の葉っぱかも、漸く分かった。

1つの謎が解けたかと思えば、携帯の着信音が部屋中に響き渡る。

この着信音を設定しているのはたった1人、凛ちゃんだけ。何の用なのだろう?

「もしもし」

「あ、木葉?ごめんねいきなり。花火大会、あたしも行くって決めたの」

私の今の気持ちとは正反対に楽しそうな声色の凛ちゃん。

わざわざそれだけを伝える為に電話をしたの?言葉にこそしないものの、少し呆れた。
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