ライトグリーン・スカイ
「えっと、ごめん。私はパスするかも」

気が進まない。嫌な事が起きそうで怖いのもある。あの悲しげな表情を見た所為で。

電話越しでも凛ちゃんが驚いているのがよく分かる。彼女は感情表現豊かだし。

でも結局は見に行く事を強いられてしまう。“ラストチャンスだから”と。

その言葉にはさっきから凄いドキドキする。ハラハラと言った方が正しいのかな？

「木葉さぁ…逃げようとしているね？」

「悪い？」

開き直ったかのように返事をすれば、“悪いよ”とほぼ即答で返って来た。

「嫌われているの恐れちゃ駄目だよ」

私の場合それは有り得ない事。

私が恐れているのは“あの事”が事実なのではないかと言う事。ただそれだけ。

「大丈夫だよ。自信持って。ね？」

明るく振舞う凛ちゃん。理由は違うけれど、私はそれに応える事が出来なさそうだ。
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表紙・目次

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