ライトグリーン・スカイ
もうお兄ちゃん達を探すどころではなかった。

1分1秒でも長くショーをやっていて欲しかった。

でも芸が出来て可愛くても、ペンギンの可愛さには敵いっこない。

「…誠にありがとうございます。次の開催時間は…」

あっという間にショーは終わり、徐々に人の数は減っていった。

「待ち伏せしてみよう?」

尋にこの言葉を言われるまで、私は3人を探している事をすっかりと忘れていた。

出入り口で待ち伏せする事早10分。流石に幾らなんでも出て来る訳がない。

内心、来ると信じていたからショックは大きい。まだ尋と一緒にいないといけないなんて。

「またフラフラしていれば合流出来る」

根拠もないのにそう自分に言い聞かせ、また元の場所へ。

そう意気込むと尋が少し申し訳なさそうにこう言う。
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